改めて「パラサイト」感想。。なぜか引きずってます

中途ハンパー梅子です。


前回記事で書いた映画「パラサイト」

2回は観たくないって書いたんですけど


思いの外

頭から離れないんですよ。。


分析記事や感想を読みまくり

気がつくと常に考えてる感じ。


誰かと共有したいのに

長子は話したがらないし

周囲に観た人がいなくてムズムズ。


誰得ではありますけど

前記事で書かなかった

梅子の考察を記したいと思います。

がっつりネタバレ含むので

鑑賞した方と鑑賞しないと決めた方限定で読み進めて頂ければ。


梅子がずっと気になっているのは

金持ち家族は元々全然幸せじゃなかったんじゃないかということ。

勿論金銭的には満たされていたけど

豪華な家は監獄みたいだったし

(現に1人囚人がいたわけだし)


「シンプル」と形容された美しい妻は

夫に逆らうこともなく従順で

深く考えることを放棄しているように見えました。

言われたことをそのまま聞いちゃう素直な人というより

自己を出すことを諦めてるというか。


そんな妻を「愛してるんでしょ?」と聞かれて

苦笑する夫も

大切なのは成功した自分の立ち位置で

家族もその勲章の一つにすぎなかったんじゃないかなー。


そして娘ね。

新しくきた家庭教師を好きになった、と見せかけて

実は前の家庭教師にも同じ態度をとっていたんだと思う。

だから

2人の家庭教師は同じセリフを言うんですよね。

「彼女が大学生になったら」って。

彼女にとったら

家から救い出してくれる人なら誰でも良かったんじゃないか、と。

ただ、彼女の手をとって口づけしてくれる人なら。


一家が出かけた留守宅で

ギウが彼女の日記帳を取りますよね。

あれって何て書いてあったんだろう。

何冊もある日記帳が机周りじゃなくてベッドサイドにあったのも気になる。

きっと自分の書いた日記を繰り返し読んだはず。

自己陶酔の中で。


それから息子。

この子に関しては

直接的な性格描写がないんですよね。

あくまでも周囲の評価だけで。

だから彼がどんな子なのか最後までよくわからないまま。


大人の顔色を見ない奔放な子なのかと思いきや

家庭教師にはあっさり従っていたり。

(懐いてる、っていうのとは違うのがちょっとコワイ)


ただ一つだけわかるのは

彼だけがこの家の囚人に会っているということ。

囚人からのメッセージを受け取っているということ。


もしかしたらこの子は

自分の家庭が抱える闇を一身に背負っていたのかもしれない。


最後の惨劇で一家の長が死んだ後

残った家族は今後どうやって生きていくんだろう、と心配する考察を読んだけど


これを機に3人は自由になれるのかもしれないとも思いました。

閉塞感のある家から解放されて

絶対的力を持った主人から逃れて

愛を語る人生を送るかも。

勿論代償は大きいわけですけど。


続いて

半地下の家族ね。


いつから半地下で生活していたかは分からないけど

(あれ?台湾カステラの後から?言及されてたらスミマセン)

少なくとも息子娘にとっては

「下流」層での生活は自然なものだったと思います。

だからそこを生きる知恵もあるし

したたかな狡さもある。


だけど父親はどうだったんだろう。


梅子は最初この映画の主人公は息子であるギウ(チェウシク)と思ってました。

全ては彼から始まったんだし

最後は彼の独白で終わってるしね。


でも今この家族でずっと頭から離れないのは

父親なんですよねー。

やっぱり名優ソンガンホにふさわしい役だったと思います!


この家族、

始まりからずっと他の登場人物に見下されて描かれているじゃないですか。


彼らに内職を委託しているピザ屋の社長である若い女性も。

家に向かって粗相する酔っぱらいも。

自分の代行家庭教師を頼みにくる息子の友人だって

大学の友達よりお前なら大丈夫、って

何が?

お前なら自分の立ち位置を乗っ取れないだろう、ってこと?って感じだし。


だから金持ち家族の主人が

下の層に対し差別的な態度をとったって

いつも通りスルーしたって良かったのに

(多分他の3人はスルーできたはず)


刺された娘を前に

世間に対してずーっと抑えてきた父親の怒りが一気に噴き出したのが

あの行為だったわけですよね。

ちなみに地下の人も妻の死によってコトを起こしたわけで

そういう意味ではドミノみたい。


考えてみれば仲の良い貧乏家族の中で

ガンホは最初から穏やかな父、とは思えなかった。

皆が逃げ惑う消毒剤の煙の中で1人でピザの箱を組み立てる姿に

狂気を感じたし

自分達をゴキブリに例えた妻に手をあげるフリをした、ってとこも

絶対マジでしたよね?


彼は前住人に代わって

完全地下に囚われた人となるわけですが

そこから出る時がくるとすれば

息子が妄想するような

明るい解放ではなく

前住人のような暴力的な脱出となるのではないかと想像してしまう。


そういう哀れさと薄気味悪さが

ソンガンホの顔と共に

梅子の中に残ってて

「やっぱ違うな!」(軽)

と思ってる次第。


もう1度観たら

もっと細かいところまで注目して

考察が深まりそうな気がします。


それでもやっぱり

2回目はないな。


今後も他の人の考察を堪能しつつ自分なりに深掘りしていきたいと思います。


今日は考えてたコトをアウトプットできてスッキリ。

ぶっちゃけ仕事中によぎることもあったから(コラ)


最後までお付き合いくださり有難うございました( ´ ▽ ` )








中途ハンパーのしわ寄せな日々

中途半端のツケが回ってきた後半生を生きる

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