小説「蜜蜂と遠雷」と停電と断水
中途ハンパー梅子です。
映画を観てから
購入した文庫本を一気読み。
その日のうちに上巻を終え
翌日の非日常感満載の状況の中で読了しました( ̄▽ ̄)
「蜜蜂と遠雷」恩田睦
出版された時500ページで2段組だったという大作は
文庫本だと上下巻、大きい字で読みやすかったです。
以下ネタバレかもです。。
ピアノコンクールを通した群像劇であるという大筋は当然同じとして
予選が小説だと3次まであるのに対し
映画は2次まで、とか
登場人物が何人か省略されてる、とか
尺の都合でコンパクトになってます。
でも目くじら立てて
「ここ違うじゃん!!」って思うほどじゃなかったかな。
小説の方がより群像劇で
登場人物それぞれの描写や視点が描かれているところが良かった。
気になったのは
映画でチョコチョコ挟まれていたエピソード
幼い時から使っているお揃いの水筒、
友の助けで乗り越える迷い、
本選前の逃避、
母親とのやりとり、
あれって必要だったのかな。
小説はもっと淡々と進行します。
その普通さが逆にドラマティックに感じるというか。
そして主人公、映画だと
なんだかちょっととっつきにくい
女友達少なそうな子だけど
小説では天才的ピアニストではあっても
普通の感覚を持ってる女の子で
その違いも少し違和感ありました。
トーク番組でよく見る松岡茉優そのままの方が
良かったような気がした。
映画ではどうしてあんな孤独な女の子にしたんだろう?
でもそれ以外の登場人物は
割と映画の役がそのままイメージできて
配役としては大成功だったのでは。
そして音楽を聴けるのは映画の強み!
架空の曲である「春と修羅」始め
演奏を実際に聞くと言葉って多くは要らないな〜って思う。
映画を先に観たからだろうけど
小説の曲の描写が梅子にはちょっと長くてしつこい気がしちゃった。。
つべこべ言ってますが
映画も小説もどちらも良かった!
映画「蜜蜂と遠雷」に始まり小説「蜜蜂と遠雷」で終わるという
濃い2日間を送りました。
そして特に2日目を梅子は一生忘れないだろうなぁ。
台風が上陸した2日目
ピークの数時間前に梅子の住むマンションは停電・断水。
スマホは充電が無くなるのが怖くてあまり使えず、
TVが無いと映像が見られない。
情報が入らないことが不安でした。
激しい風雨の中聞こえるのは
途切れ途切れの防災放送。
「直ちに避難を」との呼びかけに怯え
マンションの上階だから大丈夫と
ずっとムスメ達に話していたのに
避難しなくて大丈夫か迷いました。
結局外に出る方が危ないと判断して家に残ったのですが
何もなかったことに本当に感謝。
停電断水は48時間ほどで解消。
冷蔵庫の中のものは運べるだけ実家で引き取ってもらい
お風呂の残り湯でトイレを流し
洗い流さないシャンプーを初体験。
でも寝ずに復旧作業をしてくれた人たちのおかげで
既に日常生活が送れています。
これを当たり前だと思ってはいけないねとムスメ達と話しました。
今も不自由な思いをしている友人もいます。
力になれることって少ない(ノ_<)
どうか少しでも早くいつもの生活に戻れますように。
2日目停電で真っ暗な中でも
ランタンの光で読んだ「蜜蜂と遠雷」
小説の世界に浸って
どんなに気持ちが救われたか。
梅子にとって特別な本になりそうです。
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