映画「インザハイツ」感想
中途ハンパー梅子です。
大学を休学してアフリカに行き
コロナで志なかばで帰国した次子が
外国の技能実習生訓練校に就職すると言い出しました。
外国での就職は多少覚悟していたけど
それは彼女のアフリカのインターンの目的でもあった
マイクロファイナンス系の仕事になるのだろうというぼんやりした想像を裏切り
思ってもみなかった業界なわけですよ。
もちろん!(慌てて強調)
彼女の人生なんだし
親が思うように子供が育つわけないし
反対する理由なんてないと分かっているんですよ!
分かってはいるんだけど
社会人としての第一歩が初めて行く国(なんですよ)で
不慣れな仕事である上に
異文化での生活、
愚痴を言い合う友もいない環境を
親として心配しちゃうのは許して欲しい!
そしてやっぱり寂しい。
。。という複雑な思いを抱えて
次子と見に行った映画。
「イン・ザ・ハイツ」
ニューヨークを舞台にした移民の人たちの生活を描いたミュージカルドラマ。
彼らが抱える苦悩は
生まれ育った自分の国でのほほんと生きてる梅子には
語れないものだということを承知で感想アップします!
まずミュージカル映画としては
ワクワクするような群舞や
アップテンポ多めの歌やラップ、
アートみたいなポップな色味のシーンが多く
最後まで飽きることなく楽しみました。
歌い手の心情を表したダンサーとか
少しファンタジーなしかけ(上手い表現が見つからない)が舞台みたいと思って見てたら
もともと舞台だったものを映画化したんですね。ガッテンです。
そして人間ドラマとしては
登場人物が一人一人皆チャーミングでとても優しい。
仲間との大切な繋がりがあるこの環境と
何世代にもわたる移民への現実の壁。
彼らには相反するふたつの思いがある。
故郷を愛してる。
この国で認められたい。
主人公のウスナビは
少年時代両親との思い出のある故国に帰りたい。
彼が思いを寄せるバネッサは
移民が多いこの区域を脱してデザイナーとして認められたい。
地元の期待を一身に受けて大学に進学したニーナは
仲間がいて差別のない親元に逃れたい。
若さゆえのもがきプラスアルファがあるんですよね。
そして
「忍耐と信仰」
この聖書の言葉を移民2世のアブレラが
(1世かな、ごめんなさい曖昧)
何度となく口にするのだけれど
結局なにも変わらないことを悟っているようで寂しい響きだったのですが
最後の方に
移民の人たちが参加するデモシーンや
不法移民の子であるサニーが
教育を受ける(大学進学)権利を求めて何年経っても戦う、と決意するところ、
そしてウスナビの店に書かれたポップなグラフィティによって
希望の言葉に変わっていく気がしました。
ニーナのボーイフレンドのベニーも
パパも美容師トリオもかき氷屋(原作者!)も
厳しい現実と向き合っているのに
とても誇り高い。かっこいいんです。
そしてどんな状況でも(停電でも)人に寄り添える優しい人たち。
登場人物がいわゆるステレオタイプでないところも魅力で。
うるさい人も
でしゃばりな人も
わがままで場をかき乱す人も
思慮の浅い行動から周囲を巻き込む人もいない(典型的韓ドラ主人公)
ハッピーエンドが嬉しい(ネタバレ)
素敵な映画でした!
ウスナビを演じた彼。
嫌いじゃないよ〜♡
というより
かなりドンベクさん系だったこともあり
控えめで優しいウスナビが好きだ!!
映画館を出て夜道を歩きながら
次子の仕事に思いを馳せましたよ。
日本で仕事をしたい人たちを相手にする仕事で
夢を持ったその人たちが
実際には日本で差別されたりして辛い目に遭うかもしれないという現実に
向き合っていかなければならない。
彼女もこのタイミングでこの映画を見たことは
意味があるなと思ったそうです。
彼らの気持ちや境遇が100%理解できなくても
せめて寄り添える人になる。
強くて優しい人間に次子はなれると信じたいです。
それでもハハは寂しいのだ。
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